ふるさと
》星惑う寒天に乳首とがらせて
バカマンガ。
実際のところ山でうさぎを追いかけたことがある人はあまりいないはず。
なのに「う~さ~ぎ~お~いし~」という歌を聞くと誰もが反射的に懐かしさで胸がいっぱいになる。
郷愁ってある意味捏造された感情なのかもしれない。
とはいえ別に皮肉が言いたくてこのマンガを作ったわけじゃない。
体験してないことですら懐かしいと感じさせるこの郷愁の不思議を描いてみたかった。
ショパンはポーランド生まれの音楽家だけど活躍したのはパリで、お墓もパリにある。
けれども心臓だけは遺言でワルシャワに埋葬されているそうだ。
つまりフランスで暮らしている間も、彼の心は常に祖国ポーランドにあったということだ。
どこかに置き忘れた体の一部。
ふるさとは誰にとってもそういう存在なのだろう。